韓国版ミュージカル『スリル・ミー(쓰릴 미)』20200209 ソワレ

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この日、マチネも見ておりますが、先に、ノユン彼との比較ができるクジュンモ彼とのことを書いておこうと思います。「相手が違うと、こんなにも「間」が違うのか!」と驚きました。

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CAKE FACTORY

まずは、マチネとソワレの間に、腹ごしらえ。とは言え、ソワレの後に退勤挨拶があることが分かり、荷物が邪魔になったので、恵化駅のコインロッカーに預けに行ってから戻ってきたので、ほとんど時間がありません。

日曜日のため、目に入る目ぼしいカフェは、どこも小さくて満席で、ふと見たYES24 STAGE間近のケーキカフェなら広くて入れそうだったので、飛び込みました。

どのケーキも美味しそうでしたが、ここは無難にミルクレープとアメリカーノを注文し、大急ぎで食べました。が、何せ、ソワレのチケット発券と、スタンプカードへの押印をしてもらわないといけないので、正味20分ほどしかなく、やはり、半分ほどしか食べられませんでした。ケーキは美味しかったですが、アメリカーノがいまいち。

YES24ステージ 2館(예스24스테이지 2관)

今回最後のスタンプを押してもらいました。その前の回とも、用意されているスタンプが違ったので、全部で4回見て、3種類のスタンプをもらえました。韓国に住んでいたなら、絶対コンプリートしたことでしょう。

キャスト

2020年2月8日 18:00開演

나(私、ネイサン):김우석(キム・ウソク)
그(彼、リチャード):구준모(ク・ジュンモ)
ピアニスト:이동연(イ・ドンヨン)
(敬称略)

初めての、違う「彼」です。この写真のビジュアルからも、私の好みとは違いますが、「私」がキム・ウソクさんなので、やはりここは見ておかないと!これが「私」を見られる最後になるので。

座席

最後は、前方を狙いました。E列の、下手ブロック通路側。ウソク私を堪能できる座席位置です。この日のマチネでは、あえてセンターブロック後方、どセンに座ったので、また新鮮な気持ちです。

感想

冒頭、「私」が、上手端に置かれているトルソーからジャケットとベストを一緒に取って着て、双眼鏡を首にかけ、19歳に戻るシーン。

「彼」が登場する下手のドア側を見ていたら、ピアノのメロディが変わらず、同じフレーズをまた繰り返し始めたので、「???」と思って、ウソク私の方に目をやると、服が上手く着られなくて四苦八苦しています。静かに着直すも、ベストの背中側がたごまっていて下りてこず、上にジャケットを羽織れない状態。仕方なく再度、全部脱いで、ベストとジャケットを別々に着て、ようやくトルソーを片付けます。

そしてピアノが先へ進み、彼も登場。しかしいつもは、「私」が鳥の声を聞いてメモをし、ノートを胸ポケットにしまってから、双眼鏡で鳥を見て、そのまま気配がした方へ双眼鏡を向けると「彼」がいた、という流れになるところ、双眼鏡を構える前から「彼」がいる状態に(笑)それにしても、ピアニストさん、後ろを向いて弾いていたのに、よく異変に気付いたな〜と。トルソーを押しやるときに目に入るのに、こなかったから分かったのか、アップライトピアノになんとなく映ってるのが見えたのか。ピアニストさんの機転に拍手です。そして、退勤挨拶の時にも、かなり落ち込んでいたキム・ウソクさんでした(可愛い)舞台は生物ですね!

気を取り直して。
「彼」が変わると、こんなにも「間」が変わるものかと驚きました。台詞のやりとりも、
3回見てすっかり慣れていたノユン彼との間の取り方と全然違うので、一瞬間違えたのかと思ったほど。(実際に間違えてもいましたけども…)

クジュンモ彼は、ノユン彼とは違って、ものすごい自信家で嫌なやつ(笑)こういう人大学時代にいたわ、という感じ。ウソク私がなぜこのタイプを好きになったのか、ちょっと理解しにくい。おそらく、もう一人の「私」だと、バランスがいいのかもしれません。そちらの方が公式が推してるペアでしたし。

しかしながら、映像で見たイ・ヘジュン彼と、ノユン彼と、クジュンモ彼、全員、キスの仕方が違うことがこれで分かり、面白かったです。クジュンモ彼は、下手方向に歩いていこうとする「私」の肩を押さえて歩みを止めさせてから、両肩に手を置いて、「私」をゆっくり自分の方に振り向かせてから、じっくりキスするんですよ。イヘジュン彼は、プレスコールの映像を見ると、立ち去ろうとする「私」の肩をグイッと引っ張って自分の方を向けています。ノユン彼については、前回詳しく書いた通り。

これ、全部の「彼」のやり方に合わせる「私」役、凄いなと。とくに、「私」が一人降板してしまってからこっち、2人の「私」の公演が激増しましたし。毎日違う「彼」。もちろん、「彼」役も「私」に合わせるわけですが、どちらかというと、「彼」役は自由にやって、「私」が合わせる感じがしました。

大劇場系のミュージカルだと、キャストが違っても、演技や解釈そのものは違いがあっても、大きく「間」が違う感じは今まで受けたことがありませんでした。オーケストラがあるのも大きいかもしれません。ですが、役者が2人だけ、演奏はピアノ一人ということになると、「間」の取り方を如実に感じられる、ということになるのですね。

クジュンモ彼は、ノユン彼のような自暴自棄な感じとは全く異なり、「自分は頭がいいから、父親から盗んでもバレないはず」「自分は誰よりも頭がいいから、人殺しをしても警察なんか簡単に騙せるはず」と、己の技量をどこまでも過信して、犯罪がエスカレートしていく感じです。だから、「私」は本当においてけぼり。犯罪を実行するのに、一人では手が足りないから、「私」を言いくるめて、契約書なんか作って「私」をいいように使っている。あくまで、力関係で「私」を押さえ込もうとしています。

それが「契約書」の場面で如実に表れていました。クジュンモ彼に、「手を出せ」と言われたウソク私が、両手を下でギュッと握って隠すのは同じですが、クジュンモ彼には、右手を握ったままおずおずと差し出したところ、無理矢理人差し指だけ開かされ、切られるという。痛そう(笑)

しかも、ノユン彼の時は、「彼」が自分の指を切る一瞬、顔を背けて見ないようにしていましたが、クジュンモ彼は、ウソク私の顔の前に自分の手を出して、自分の指を切るところをウソク私に見せるのです。目を逸させない!怖!その瞬間のウソク私の、鳩が豆鉄砲食らったような顔ときたら。そのあと一瞬、ハムスターみたいにフリーズしてるんです。この辺りから、「私」の静かなる凶暴性が目覚め始めたような。

盗みをしても、刺激を感じられなくて、もっとスリルを求めて殺人までするノユン彼とはこれまた違って、盗みなんて簡単な犯罪では、自分の頭脳を活かせないという感じのクジュンモ彼。盗みの後も、本当につまらなそうで、そんなところに「私」が求めてくるから、本気でウザく怒っている。この二人の「スリルミー」は、殴り合いの喧嘩でも始めるんじゃないかという勢いで服を脱ぐ(笑)それなのにキスするんかーい!みたいな。

その後のウソク私は、少し嬉しそうに服を着て整えているのですが、「彼」が殺人などと言い出すから血相を変えます。この時、「彼」は2階で煙草を吸っているのですが、ノユン彼は、煙草をくわえながら2階にいる間に、ベストのボタンを全部留めていましたが、クジュンモ彼は、煙草を消して1階に降りてきてから、ベストのボタンを留めつつ、話の続きをしていました。この性格の違い。

そして、殺人の道具を一つ一つ確認している時、クジュンモ彼は、小さく声を出しながら、道具の名前と物を確認して並べ、自分が頼んだロープと違うと文句を言った後も、「そのロープを使うとするとこうするか」みたいに、手順を確認してから、床に並べた道具を、また一列に綺麗に並ぶように整えていました。几帳面!ノユン彼はそこまではしていませんでした。ここらへん、ノユン彼は、何かをしながらもう一つのことをすることができて、クジュンモ彼は、一つのことを終わらせてからもう一つのことをするタイプだと思いました。本人の性格が出てるのかもしれません。

クジュンモ彼は、明らかに怪しすぎるので、こんな人が近づいてきたら走って逃げると思うのですよ…。

そうして、殺人の後は、「私」の言うことなど微塵も聞いていません。馬耳東風。とにかく自分の言った通りに「私」が動きさえすれば良いという考え。だから、眼鏡で大騒ぎしている「私」を見捨てるのも、組織のトップによるトカゲのしっぽ切り感ありあり。そこに愛は全くない。ナッシング。この時、電話を「私」と「彼」の同時に切ることが続きますが、1回目はちょっとズレてました。お互いの気持ちが噛み合ってない感じが反映されてるように聞こえて、それはそれで効果的でした。

そして、煙草を頬に叩きつけられるのも、凄い勢いでしたし、突き飛ばされて変態呼ばわりされるのも激しくて、ウソク私が惨めすぎてかわいそうになるほど。

ですから、警察が証拠をつかんで、クジュンモ彼が徐々に追い詰められていく間、これは、「彼」を手に入れたい「私」というより、ないがしろにされた恨みを晴らす「私」の復讐なのではないかと思えてきました。そこで、いよいよ、ひざまずいて「私」に助けを求めた「彼」を見たウソク私の目に、一瞬、後悔がよぎったような。そんな姿を「私」に曝け出すような「彼」が欲しかったわけではないような気がしました。それでも、「彼」をようやく自分のものにできたと思ったウソク私は、キスをしてこようとするクジュンモ彼をきっぱりと静止し、自分から「彼」の頭を引き寄せてキスをするのですね。

そして、判決を待つ間。クジュンモ彼は、自分が牢獄を出た後、理想の弁護士になることを全く疑ってない様子。ノユン彼の
場合は、「ああいう弁護士に憧れてる」というあくまでも憧れしか感じませんが、クジュンモ彼の場合は、「理想を見つけた!」という感じ。それを、空虚な瞳で「知らなかった」と力なく応えるウソク私。

そこからのクジュンモ彼の絶望感は凄いです。何しろ理想的な将来を見つけた途端に打ち砕かれるわけですから。ウソク私の若干の無邪気さが、本当に不気味です。かわいそうなはずなのに、背後霊のよう。

自由になれても、ウソク私は、すでにこの世にいない「彼」の亡霊と共に、幽霊のように生きていくのではないかと感じる終わり方でした。

ク・ジュンモさんは、なんというか、もっとクセのあるおじさんっぽい役が合うのではないかと思いましたよ。魔術師とか。

カーテンコール

冒頭、あんなことがありましたが、後半はそんなことがあったことも忘れるほど白熱したお芝居でしたので、歓声も上がるほどのスタンディングオベーションでした!ピアニストさんにも拍手!

退勤挨拶

ちょっとヨロリラしてヘコみつつ、笑顔を見せようとしてくれたキム・ウソクさんでした。

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