2014年9月5日〜7日まで、北千住のシアター1010で上演された、『Dramatic・super・dance・theater「サロメ」』全4回公演を、すべて見てきました。
THEATRE1010|公演情報|Dramatic・super・dance・theater「サロメ」
『サロメ』は買ってあったのですが、結局読まないまま、お話をよく知らないまま、初日を迎えてしまいました。
初日は、自分が見慣れていないせいか、義くんが緊張していたからか、1幕はあんまり少女に見えなかったのですが、2幕で7つのベールの踊りを披露する辺りから、だんだんと舞台の世界に入り込むことができて、最後のクライマックスの踊りでは、見惚れている自分がいました。ただ、台詞になると、ちょっと興ざめしてしまったので、個人的には台詞がない方がいいなと思いました。マイムと踊りだけで、十分に伝わると思うのですよね。特に、ヨカナーンの首を前にした時のサロメの心情を、利くん、泰ちゃん、皓ちゃんが代わりに言うのですが、あれは言わなくても良かったかなあと。
それから、エロド、エロディアス、その配下の者たちが、曲がヘヴィメタだったこともあり、どうしても、どうしても、族にしか見えなくて・・・(ごめんなさい 笑)旗を振り回すのとか、軍服が学生服っぽいのとか(演出家の上田さんは、トークでナチスの軍服をイメージされたとおっしゃてはいましたが)、80年代の暴走族っぽくて(゜ー゜;A そんな感じで、1幕は、舘形比呂一さんが登場されるまでが、ちょっと冗長に感じられました。
翼くんとかざみん(アフタートークで涼介くんに「この2人、できてるんじゃないかというくらい一緒にいた」と言われるほど、ペアで出てきて踊ることが多かった)、この2人の踊りもとてもかっこ良かったです。かざみんは、SHINSENGUMIの時も思いましたが、短刀がよく似合う!そして、翼くんの、ヨカナーンの首切り前の踊りは、地獄から這い出てきた悪魔のような風貌と踊り。怖かった!
そして、舘形さんのヨカナーンが登場した時の、存在感のすごさときたら!
預言者です、と言われて素直に信じられる風貌。オーラ。狭い台の上だけで繰り広げられる、力強い踊り。初めて拝見したのですが、本当に素晴らしかったです。
その、ヨカナーンと一緒に踊ると、とたんに義くん(38歳男)が、本当に可愛らしい表情を見せる、単なる恋する乙女になるのです。それまで、15歳の三浦くんと踊っていた時は、ちょっとムリがある感じがしていたのに、対比の問題と、心から尊敬している舘形さんに対する義くんの気持ちの表れか、もう、少女にしか見えません。
この1幕の踊りも、回を追うごとに、少女っぽさが増していて、千秋楽は特に、少女から女へと変化する様子、単なるわがまま娘の無邪気さが狂気に変わる様子が、ありありと舞台の上に表れていました。1幕で、豊満な胸があるかのように感じられる踊りを見ていると、2幕で、バーン!と胸をさらけ出して登場した時に、「わ!乳首まで出しちゃって、女の子が!」と一瞬思ってしまうほど(笑)
とはいえ、決して、「女装」している風では決してなくて、女の子の欲望が形を成してその場にいる、という感じ。
ニジンスキーの初演の初日を観た時の衝撃とは、また別の衝撃を受けました。
劇中で使われている、川井郁子さんのヴァイオリンの曲がまたとっても素敵で。千秋楽には、最後の2曲を生で演奏してくれました。ただ、千秋楽で、義くんのサロメの踊りを生で見られるのも最後だったので、あまり川井さんの演奏している姿を見る余裕がありませんでした…。帰ってきてから、iTunesで曲をダウンロードできることを知り、早速買って、もう朝から晩まで聞きながら、あの素晴らしい踊りを脳内再生しています。
義くんが踊った曲の振付に関しては、2幕の方が断然好きでした。1幕は、まだまだ少女らしい可憐な、殻に閉じこもったままのような振付でしたが、2幕でいろいろ開放されて、開放されすぎて、どっかいっちゃった精神を象徴するような振付に変わったのが、鮮やかでした。1幕あっての2幕なのですが、やっぱり2幕を楽しみにしていました。
中指と薬指をくわえる振付が何回かあるのですが、これがエロい!エロいけれど、女性に感じるエロスでも、男性に感じるエロスでもなく、いろいろ超越したところの、それこそ神々しいエロスを体現していて、もう本当に、なんなんのこの人、状態です(笑)
まったく一言も話さず、カーテンコールでの挨拶もないので、義くんの声を1回も聞けないすごい舞台でした。こんな舞台は、初めてかと。千秋楽のカーテンコールだけ、小さくガッツポーズしていて、客席爆笑でしたが(笑)もちろん、アフタートークの日には声を聞けましたが。
これは、ぜひとも再演して欲しいですね。