水原のマチネとソワレの間に行ったカフェは、ちょっと特別なカフェだったので別記事にします。(と言ってもInstagramにはすでにアップしてますが。)

すぐにソワレの感想へ。

キャスト

2019年4月6日 19:00開演

エリザベート:シン・ヨンスク
トート:パク・ヒョンシク
ルキーニ:イ・ジフン
フランツ:ミン・ヨンギ
ルドルフ:ユン・ソホ
ゾフィー:イ・ソユ
(敬称略)

これだけエリザベートを観てきて、初めましてのシン・ヨンスクさんです。ソウルでは日程的に見ることができませんでした。

子供のシシィから晩年のエリザベートまでの声の使い分けが素晴らしいという劇評をいくつか見ていたので、PVなどを見るとちょっと老けてるように見える(失礼!)けどどうなんだろうと思っていました。キム・ソヒョンさんもオク・ジュヒョンさんも童顔の可愛らしい系のお顔ですし。

開場から着席

マチネと似たような席ですが、初めての下手ブロック3列目です!これほど前の席になることは、後にも先にもありませんでした。

オク・ジュヒョンさんの回よりは、全体的にお客さんが少なくて、ちょっと寂しいですが、シクトートファンはいつでも盛り上がっていたように思います。

開演前のエリザベート役の俳優さんによる場内アナウンス。シン・ヨンスクさんの透明感のある、グラスハープの音色のような声に期待が高まります。

全体的な感想

シン・ヨンスクさん!とてもとても素敵な声でした!声優もできるのではないかと思える(すでにやってるかも?)ちょっとアニメ寄りの子供時代の声から、成長して子供ができた頃の声、晩年から死ぬ瞬間までの声。

また、相手役や観客に向かって訴えるようにはっきりと歌うため、曲として、メロディの一部として歌詞が流れていってしまわないので、私でも新しく聴き取れる箇所がたくさんありました。一番最後に、ブリッジでトートに向かって歌うシーンなど、シクトートが「うん、うん」とエリザベートの顔を見ながらうなずいていましたし!(ほかのエリザベート相手ではしない)このシーン、城南でVIXXレオくんのテクトートでも見たのですが、レオくんもヨンスクさんの歌うのを聴きながら、うん、うんとうなずいていました。何か、おもわずそうさせてしまう歌い方なのでしょう。

そして、シン・ヨンスクさんとミン・ヨンギさんとのバランスが良かったです。ミン・ヨンギさん、上手いのですが、他のエリザベートとの組み合わせではしっくり来なかったのです。

シクトートとは・・・なんというか、3年ぐらい付き合って婚約寸前だったのに、エリザベートが他の男とお見合い結婚してしまった。「なんであんな男と?!オレの方が先だっただろ?!」としょっちゅう痴話喧嘩してる、みたいな関係でした(爆)こんなシクトートもあるんだと見ていて面白くてしかたありませんでした。

프롤로그(プロローグ)

ルキーニはイ・ジフンさん。
ルキーニが煉獄の尋問に向かって、うざそうに 개소리 그만하고 꺼져! と言うのですが、この言い方が三人三様で面白いです。イ・ジフンさんは、王道な感じで天に向かって叫ぶ。

亡霊たちが起き出してきて、歌い踊る中にユン・ソホくんがいるとテンション上がるようになってきた私。

そして죽음!

優雅に、でも気だるそうに長い足を前へ出しながらブリッジを進み、ゆっくりと息を吸い込み吐き出すシクトート。マチネよりは息の吸い方が控えめです。

!!

これは、今までに見たことのないトートではないですか。色気で押さないトートほど男っぽさを出しているわけでもなく、色気で押しまくりのトートほど美しさをみせてくるわけでもなく。ちょっと、人に近い?というより素に近い?素というわけはもちろんないですが。

シン・ヨンスクさんとの時は、キム・ソヒョンさんとの時のようなトートかなと考えていたので、見事に予想を裏切ってくれました。これだから何度も観に通ってしまうわけです。

エリザベートの肖像画を見上げて、客席側には背を向けて立っているシクトートが、ルキーニに죽음と言われて、下手側に首を動かす瞬間に見える横顔が大好きで、3列目でもオペラで見てるため、下でルキーニがどう動いてるのか、実は知りません(汗)城南でテクトートで見た時に色々分かったりしまして…(ちなみに、この振り向き方も振り向く方向も、シクトートとテクトートでは全然違いました。)

プロローグの最後、엘리자벳!엘리자벳!で、右手に広げた羽根のマントで自らの姿を隠すキレの良い動きが、その一場面を引き締めていて、存在の大きさを存分に表しています。

愛と死の輪舞

この場面。シン・ヨンスクさんのPVに一瞬だけ映像が残されていますが、それだけでもありがたく思えてしまうほど、映像も音源も出されないまま終わってしまい悲しいです。その、撮ってたものを全て出してくれ!

余談ですが(ブログ全部余談ですが)、オペラグラスって遠くから見るのに適しているのですね、やはり。前方席で使うと、ピント合わせがかなり忙しくて、うっかりすると、良い瞬間にボケちゃってるんですよ。

シシィをお姫様抱っこして表れる時の立ち姿の美しいこと。今回はちゃんと前を向いていたようです。そして、相変わらず、シシィを台に寝かせて、自分の右ひざに頭を乗せてあげる瞬間まで、シシィの頭を支えてあげているのが、もうほんとに優しくて好き。あ、思わず。これ、テクトートは肩あたりを支えているので、首から上の重い頭は、自分で形を保っていたのですよ、シシィが。なるほど〜と思いました。

영원한 안식처로 데려가줄게~♪

と歌ってシシィに死の接吻をしようと顔を近づけます。데려가줄게の言い方というか、ㄹの言い方が毎回ツボです。

シシイの生命の輝きに衝撃を受けたシクトートは、シシイがあまりにも無防備に素早く手を伸ばしてきて自分に触れようとするので、慌てて立ち上がって後退し、腰をちょっと引いた体勢のままシシイの動きを止め、シシィを見つめます。シシィの手が自分に触れないように、みぞおちあたりをヒュッと引っ込めたんですよ。

ここで、ルキーニが「恋に落ちた」みたいなことを言いますが、役者によってセリフが違います。正確には全然覚えていないのですが。(それほどの韓国語力もない)

それにしても、ヨンスクさんの声が可愛い〜。顔が老けてるとか言ってごめんなさい。どこからその声が?!というほど想像つかなかった可愛い声が出ててくるのです。この声と(顔と、ではない)シクトートは、もうお似合いすぎて超応援したくなる組み合わせでした。ですから、2人のデュエットの最後、お互いに手を伸ばして歌う 사랑과 죽음의 춤 안에~ で、ものすごーく「契りを交わした」感があって、今までで一番「え、離れちゃうの?」と可哀想に思えました。

あー、ソウルでもっとこの組み合わせを見たかった!

신이시여 지키소서 우리 젊은 황제(皇帝の義務)

ルキーニが누군가의 어머니(誰かの母親)と、処刑される予定の男の母親を紹介した途端、せり上がっていく双頭の鷲の紋章。両膝をついて顔を隠されている男が一人、その後ろに、足元からゆっくりと姿が現れる恐ろしく無表情のトート。

母親がフランツとゾフィーに「助けてくれ」と懇願するも、ゾフィーはフランツに処刑を促します。その声に合わせて、徐々に羽根を広げていくトート。フランツの一声と共に死の接吻を男に与えるトート。右の羽根は右斜め上に広げたまま、男の左上から死の接吻をして、左の羽根で自らの姿を覆い隠すのがシクトートですが、これもまた、後でテクトートを見たら全然違ったので驚きました。

結婚式

結婚式の前に、お見合いの場面ですが、他の2人のエリザベートは、バートイシュルに着いてすぐ、舞台の下手で蝶々を追いかけて捕まえています。(指輪型の小道具に蝶々が付いている。キム・ソヒョンさんの蝶々はものすごくバタバタ暴れてバッタか蛾じゃないかと(笑))

ところが、シン・ヨンスクさんは、蝶々を追いかけはしますが逃してしまい、結局、捕まえないのです。それが蝶々だとは、他の2人を見ていないと分からないのではないかという気もしますが、これからの何かを暗示しているように思えました。

そうして迎えた結婚式。シクトートの笑い声が炸裂します。マチネより絶好調。含み笑いから、「アーハッハッハ」とカタカナで書いていいような笑い声を轟かせるのですが、前にも書きましたし、見るたびに思いますが、この漫画かアニメかみたいなきれいな笑い方をするのってけっこう難しいと思うのですよ。立ち姿同様、笑い方まで美しい。

마지막 춤(最後のダンス)

あくまで紳士的に振る舞おうとしつつ、何か言いたいのを我慢している感じです。シンエリザは、無邪気にトートに近づいていくも、近づきすぎる前に何か恐ろしさを感じて、手を引っ込めます。

シクトートが、差し出した左手をゆっくり握りしめた後、腕を一振りすると、舞台の両サイドでエリザベートが逃げないようにしていた死の天使たちが彼の足元に集まります。トートはまだブリッジに乗ったまま、正面を向いて歌い始めます。

한 여잘 사랑하는 두 남자의.
뻔하지만 새로운 이야기~

ここで右手のすべての指を滑らかに動かして不気味に持ち上げる振り付けがありますが、テクトートは指を動かしてはいなかったのです。シクトートは、明らかに自分の利点を分かっていて存分に魅せてきていることが分かりました。

너의 결혼식에 난 손님일 뿐
날 버리고 미소 짓는 너~~

この나~に続いて어~と半音下げて、そこまで歌うところもシビれます。ちょっと気になって、持ってる音源(2012年の韓国版と2015年の日本版、あと今年分でYouTubeで見られる人の)を全て聴いて確認したところ、ここの音を歌ってるのはシクトートだけでした。

自分の女を取り返しに来た感満載のシクトートの最後のダンスは、かなり力強くて強引で、未練を爆発させていて、キョトンとしてされるがままになってしまっているシンエリザとの対比が面白い。死の淵から生き返ったエリザベートは、トートのことを忘れていたわけなので、このぐらいエリザベートに「わけがわからない」感じがあっていいと思います。ここはまだトートの独り相撲みたいな感じ。

歌いながらブリッジに戻って歌いあげ、

우리 둘이서~~~!!

の前にはちょっと息が上がっていますが、それもそのはず激しく踊りすぎ。このトートはなんでしょう(笑)

나는 나만의 것(私だけに)

フランツがゾフィーの味方をして去っていったので、がっかりして悲しみに打ちひしがれているエリザベートが、自我に目覚め決意を新たにする歌ですが、オク・ジュヒョンさんもキム・ソヒョンさんも、舞台上手側(フランツらが退場した側)にいて歌い始め、そこからほぼ動かず、センターの扉ぐらいまでしか移動しませんが、シン・ヨンスクさんは、下手側にも歩いてきて、客席の方の遠くを見つめて訴えるように歌うので驚きました。それがまた、このエリザベートへの感情移入を促したと思います。

なんというか、自分の歌というより言葉を、聴いてる人にしっかり届けたいという熱い情熱が感じられました。すごい。

그림자는 길어지고(闇が広がる)

シンエリザは、なんかすごく可哀想なのです。ものすごくへの字眉になるからでしょうか。娘を失って打ちひしがれているところに現れるシクトートがものすごくひどい奴に見えます。

내가 널 안았던 순간
떨리던 네 숨결을 난 기억해

先の「愛と死の輪舞」があったので、この歌詞が今まで以上になんかエロい(笑)姿やしぐさがエロいのと違い、言葉が直接的にエロいというかなんというか。ヨンスクさんの歌い方につられて、今までに見たことのない化学反応が起きている気がしました。舞台下手上方の小さい舞台にいるシクトートを3列目とは言えオペラでガン見していましたが、その歌い方にちょっと恥ずかしくなってオペラを一瞬下げて少し遠目で見ることにしたほどです。(すぐさまオペラを戻しましたけど。)

「歌っている」のと「話しているように歌う」のとでは全然違いますが、他のエリザベートのときは全体的にオペラのようなのですが、シンエリザの場合、ストプレのように歌うとでも言うか、歌っているけれど台詞として入ってくるんですね。日本の役者で例えると男しか思い浮かびませんがあっきー(中川晃教)のような。めちゃめちゃ泣いてるのにきれいに歌うあの感じです。

행복한 종말(退屈しのぎ カフェプレイオフ)

うっかりすると、トートダンサーを見ていてシクトートが出てくるところを見逃すやつです。

しっかり見ていたところ、新聞を顔の前で広げた状態で下手から後方センター付近の椅子まで歩いてきて座るシクトートですが、座った時に右手側の指をずらして新聞を持ち直していました。初めて見ましたよ!(細かすぎ)

そして、カフェに集まった革命家たちがひとしきり騒いで歌い終わった瞬間、新聞を閉じてテーブルに叩きつけながら、立ち上がりルキーニ をにらむトート。ルキーニ はトートの上手側にいるので顔を右に向け、そのまま盆が回り出して暗転になりますが、その直前に顔を左の方にも向けたのです。これも初めて見ました。ここで顔の向きを変えるのは。なんだか、少しずつ、今まで見てきたシクトートと動作が違います。

엘리자벳, 문을 열어주오(エリザベート、扉を開けておくれ)

他のエリザベートは、フランツが扉を叩いた瞬間は嬉しそうにしていましたが、シンエリザの場合は、一心不乱に手紙を書いています。もうすでにあんまりフランツのこと愛してないみたい?と思いきや、手紙を突きつけた後は号泣していました。

そこへ間髪いれずに、ベッドでくつろいだ風のトートが現れます。何度でも言いますが「いつからそこにいたの」。いろいろやる気に満ち溢れたシクトートですが、

내 품에 안겨 편안히 눈을 감아.
위로해줄게.

と腕を一振りしてエリザベートをそばに引き寄せ、連れて行こうとする様子が、何というか生々しく官能的。ヤバくないですか、それ。

3人のエリザベートの中で、シンエリザとの関係が一番対等に見えます。これを見て、他のエリザベートとの関係、素の俳優としての「エリザベート」という作品の中での在り方がはっきりわかったような気がしました。

シンエリザは、死の接吻の寸前までうっとりしていましたが、ハッと我に返り、軽く悲鳴をあげならも可愛らしくトートから逃げます。あと少しだったのにと、ゆっくりベッドから降りるシクトートですが、「馬鹿だなおまえは」と言いたげな表情。ここら辺の彼氏感よ。

나는 나만의 것(Reprise)(私だけに)

写真や肖像画のエリザベートに、ビジュアル的に最も近いのはシン・ヨンスクさんではないでしょうか。真っ白なドレスを纏って登場したエリザベートは、凛として美しく、力強い意思を見せていました。

それを鏡の中から睨みつけるように凝視するシクトート。これまでに聞いたことのない3人のハーモニーが思いのほか心地よく、やはり、声の相性ってあるなあと実感しました。

키치(キッチュ)

イ・ジフンさんのキッチュでは、必ずと言っていいほど目が合うのですが、その目があったままで歌ってくるので、恥ずかしくなって思わず目をそらしてしまいます(笑)

내가 춤추고 싶을 때(私が踊る時)

羽ばたこうとしている鷲の銅像の後ろに、シクトートが最初からいるのが少し見える下手の端に近い席です。シクトートが、鷲の足に左腕を沿わせて出てくるのはマチネと同じですが…。

シンエリザとのこのシーンは、どんどん痴話喧嘩がエスカレートしていくみたいな二人で、いつもなら「シクトートカッコいい(ハート)」って目で動きを追ったりしてるのですが、

죽음:내가 없이 넌 아무것도 할 수가 없어.
엘리자벳:그만 떠나!
죽음:날 찾게 될걸.

あたりでシクトートがムキになりすぎていて、思わず「ぷっ」と笑ってしまったほどです。シンエリザも、昔の男の誘惑に耳を貸さないように必死で応戦している感じで、そのままの勢いで二人とも最後の一声を歌い上げるので、見ていてとても面白かったです。この場面で3列目という舞台に近い席で妖艶シクトートなら私の心臓がやられてるはずですが、この感想ですよ(笑)

엄마 어디 있어요(ママ、どこにいるの)

空からふわりと舞い降りるトートが、ルドルフのベッドの背もたれの裏から現れ、氷のような目つきでルドルフを見下ろすと、ゆっくりと下りてきてベッドの上手側からルドルフの隣に座ります。(ルドルフは、ベッドの下手側のサイドテーブルに置いてある宝物の帆船の模型を見ているのでトートに気づかない。)

소용없어. 그만 두렴.

そう言う(歌う)シクトート、本当に冷たい。エリザベートの血を引くルドルフに興味があるという風な回もありましたが、今回は、エリザベートと他の男の子供憎しという感じ。子猫を殺したと言うルドルフの話にも、鼻で笑ってあしらう。

そしてこれ以上ない慇懃無礼なお辞儀のしかた。また会おうと言われても「もう来なくていいです」と言いたくなる冷たい態度なのに!寂しいルドルフは、トモダチだと思ってしまうのですね…。

내숭 따윈 집어치워요(マダム・ヴォルフのコレクション)

最近では、可愛いアンサンブルさんたちと、男らしさを表現したダンスをするトートダンサーひとりひとりを見るのが楽しみになっているマダム・ヴォルフの館。

娼婦たちが皆メリーゴーランドから降りるころ、その裏側に現れてゆっくりと台に上り、少しうつむき加減で立つシクトート。ソワレも、マチネの時のように右腕から指揮をするように持ち上げて、両腕を広げてお客さんにその状況を見せるようにしていましたが、マチネほど大きく腕を動かしてはいません。

「今回はこうしよう」と決めてこないと間に合わないぐらい短いシーンなのですが、終わった後に「今日の演技プラン」についてインタビューしたいほど毎回違うのがすごいです。

전염병(伝染病、最後のチャンス)

トートダンサーが、倒れたエリザベートを運びにきますが、舞台奥から表れた彼らが、どこにエリザベートが倒れているのか出てくる前から分かってるのがいつも演技的にどうなのと思ってしまいます(汗)そこは死の天使だから姿を表す前から見ていたということかなと。そこでもたもたしてる場合ではないですしね(自分自身が演劇をやっていたから気になるのであって普通そこまで気にしないと思います。)

長椅子に横になっているエリザベート。その足元に斜めに腰掛けてエリザベートの脈をとるシクトート。立ち上がり、舞台上手に歩いていき、エリザベートに病気の原因を告げますが、してやったりという感じで、今度こそエリザベートを自分と一緒に連れて行けると思って思わず笑みがこぼれています。

それが行動にも表れていて、後ろを向いてハットを取った後、素早くコートも脱ぎ捨てると同時にバーン!と振り向いて両腕を広げながら、

그래!!!
그렇게 해~!!! 엘리자벳~!!

と喜び勇んで長椅子に駆け上ります。그래~と言いながら色っぽくコートを脱ぐ他の回とはえらい違いです(笑)日本版エリザベートの井上芳雄トートを思い出しましたよ(爆)(2015年に見たときにこのシーンで喜び過ぎてて笑ってしまったのです。)

それなのに、それなのに。ああ無情。見事にエリザベートに振られるトート。痴話喧嘩がもう犬も食わないみたいな状態になっていて、今回は怒りを露わにしながらブリッジに戻っていくシクトート。そして、ダイヤモンドのネックレスをそのトートに向かってめっちゃ投げつけるシンエリザ(笑)激しすぎます。

그림자는 길어지고(Reprise)(闇が広がる)

エリザベートがあんなだから、もうルドルフへも真っ向勝負を挑む姿勢なのか、スタンバイしてる時から正面を向いているシクトート。ここは、ユン・ソホくんも見たいので、マチネよりはルドルフ多めで。

紋章が上がっていくと、ルドルフを睨みつけているシクトート。これオトモダチじゃないでしょう、ルドルフよ。

니가 어릴때 우리 다시 만날거란 그 약속. 

ここでも、邪悪さを隠しきれていないシクトート。なのに、捨てられた子犬みたいに人なつこい顔でトートにハグしに行くルドルフくん。無防備にもほどがあるでしょう。

そして、噛みつきそうな勢いで、ルドルフの唇を奪おうとするも、ユン・ソホくんのルドルフの場合は、たまたま下手側に振り向いちゃったみたいな感じで、それをかわします。この後のシクトートの悔しそうな顔ときたら般若の面です。

ルドルフは、たまたま死の接吻をかわしただけで、トートを訝しんではいないので、背を向けて歩き出したシクトートに、ワンワン、とついていきます。そうするともう後は、単純なルドルフをおだてて煽ってその気にさせるのは簡単といったシクトート。

ルドルフが革命家たちの仲間になるのをかなり無表情で見ていたシクトートですが、今まで見たことないぐらいあまりに無表情なので、そこまでルドルフに関心ないトートなのかと思いきや・・・。

いつもなら、ルドルフが重要書類に手をつけたところをフランツに見つかって捕まるときには、陸橋の階段を半ばあたりまで上っているのですが、なんと、その瞬間まで階段の下にいてそれを見届けてから、口に手を当てて笑いを爆発させ、腹を抱えて笑いながら階段を駆け上っていったのです。もう、笑いが堪え切れないというように、陸橋の上でも邪悪な笑いを炸裂させます。

最強に黒い暗黒トート・・・。

죽음의 춤(マイヤーリンク 死の舞踏)

立派な軍服の上着のボタンは外れ、シャツはよれよれで胸がはだけた状態で、母の元へたどり着くルドルフ。母の声を聞き、一筋の希望の光を見たものの、その母に冷たく追い払われて、失意のうちに生きる気力をなくします。

そこへ、死の天使たちを従え現れるシクトート。手には銃を携えています。その銃をもらおうとするルドルフは死の天使たちに弄ばれ、最後はトートに銃を渡されます。

やはりここでも、左手でルドルフの首根っこあたりをひっつかみ、右手で、ルドルフに「さあ皆さんにお見せして」と腕を広げて引き金を引くのを促します(マチネよりは控えめに)。そして、音楽が止むのと同時に死の接吻。

ルドルフを転がし、死の天使たちに、ルドルフを片付けるように指示すると、満足そうに右手の親指で軽く唇をぬぐいます。静寂の中、ゆっくりと銃を拾い、「よくやったな、おまえ」と言わんばかりに銃の様子を見て、楽しげに下手に歩いていきます。

すると、「ああ、ご挨拶をしないとね」といった表情で客席を向き、少しおどけた調子で大げさにお辞儀をしてから、悠々と立ち去ります。

추도곡(死の嘆き)

号泣しながらも、美しい声のまま歌い続けるシンエリザ。この様子であっきーを思い出したわけです。

こうなっても、自分を本当には必要としてくれないエリザベートに、苛立ちが募るシクトート。その苛立ちは、そのままフランツの悪夢の中に表れます。

질문들은 던져졌다(Reprise)(悪夢、暗殺)

悪夢にうなされるフランツの頭上に表れるシクトートは、フランツへの憎悪を滾らせて、最後通告を行います。エリザベートを

내 사랑!!

という言葉が重く激しい。ルキーニにナイフを投げ、稲妻と轟音の元消え去る瞬間の表情も険しく。圧倒的な力を見せつけられて呆然としているフランツ同様、こちらもしばらく呆然としてしまいました。

베일은 떨어지고(愛のテーマ)

何度見ても美しく光輝いている白スーツのシクトート。天使すぎます。

長い間待ち続けた恋人が、今ようやく、自分の元に戻ってきてくれる嬉しさと安堵感の混じり合った複雑な表情。ブリッジのかなり下まで迎えにいき、エリザベートの手をとります。

そして、冒頭にも書きましたが、シンエリザがトートに訴えるように「ずっと自由を望んでいた」と歌うのに合わせて、何度も頷きなが見つめ合うシクトート。トートがエリザベートの話(歌)に頷くの?!と一番驚いた場面です。

お互いから同時に求め合う死の接吻。動かなくなったエリザベートをそれでも愛おしそうに見つめながらも泣きそうになるシクトート。ゆっくりと顔を正面に向け、空の彼方を見つめます。

カーテンコール

本当に素晴らしい回でした!

カテコの最後のダンスも絶好調で、カッコよさの権化。素に戻って並ぶエリザベートとトートは、特に応援したい間柄に見えないので(笑)役者ってすごいなぁと改めて実感した回となりました。

お見送り