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韓国ミュージカル『笑う男(웃는남자)』上映会&コンサート 20191002

日本青年館ホールにて4日間行われた韓国ミュージカル『笑う男』上映会。その3日目、コンサートの初日に行ってきました。

その時、2020年1月に再演があると聞いたので、いつ発表になるのかと楽しみにしていました。感想の前に、10月30日に『웃는남자』2020年公演の開演日と全キャストが一気に発表されたので、リンクを貼っておきます。
2020年1月9日〜 芸術の殿堂オペラハウス(예술의전당 오페라극장)にて。

日本青年館ホール

外苑前駅から徒歩5分くらい。日本青年館はホテルでもあるので、飲食店などもあるようですが、私は一人でしたし、外苑前のファーストキッチンで軽くお茶していきました。なんと、タッチパネル式の注文マシンが置いてある店舗でした。LINE PAYでの支払いもできます。

日本青年館ホールの1回にはファミリーマートが入っていました。公演によるかもしれませんが、再入場不可だったので、ここでお水を買っていきます。ホワイエには、売店はおろか自動販売機もありません。これは結構重要なことではないでしょうか。休憩時間のある公演の場合、ホワイエにしか出られないとしたら、何も買えない。

中は、劇場内もホワイエもとても綺麗でした。ホワイエの一番奥に飾られていたアートが可愛くて、思わず写真を撮っていました。

席は2列目のセンターブロックだったので、音響については語れません。マイクのない声まで普通に聞こえる距離でしたので(汗)

『笑う男』キャスト

グウィンプレン:パク・ガンヒョン
ウルスス:ヤン・ジュンモ
デア:ミン・ギョンア
ジョシアナ公爵:シン・ヨンスク
(敬称略)

コンサートに出演されるキャストが出ている回の映像なのだろうなということは分かりましたが、他のキャストが誰なのかは事前に分からず。ただ、客席内に入った時から、流れていたOSTの声で、もしや、ミン・ギョンアさん?と思っていたところ、ビンゴ!

先日『ジキルとハイド』で見て、その前は『エクスカリバー』で観て、その澄んだクリスタルのような透明感溢れる声にすっかり魅了されていたので、嬉しさが倍増しました。残念ながら、2020年版のキャストにはいません(泣 レベッカに出演中だからしかたありません。同じくレベッカ出演中のシン・ヨンスクさんは続投ですが)。

コンサートキャスト

ヤン・ジュンモ
シン・ヨンスク
パク・ガンヒョン
(敬称略)

ヤン・ジュンモさんは、2017年5月に帝劇で『レ・ミゼラブル』を観た時のバルジャンでした。日本語で普通に演じておられたので、実のところ、韓国語で演じてるのが不思議なほど(笑)

Kumi Ebina on Twitter

ヤン・ジュンモさん、ご挨拶の第一声が감사합니다.だったので、そうだった!と思い出したくらい劇中は普通に日本語で歌ってるのが違和感なかった。そして、最後があんなにほんとに死んじゃいそうなバルジャン、私は初めてだったような。「彼を帰して」で泣いちゃったのも初めて。

シン・ヨンスクさんは7月の『エクスカリバー』以来、パク・ガンヒョンさんは9月の『マリー・アントワネット』以来です。ミュージカルでは、そんなに前方のど真ん中の席は取れないので(チケット販売サイトの有料会員にならないと無理で、それは外国に住む外国人には無理なので)、なんとも贅沢な時間でした。

荒くないあらすじ

ネタばれしまくりなので、今後観るときの楽しみにしたい方は飛ばしてください。


1689年12月から1690年1月にかけて、イングランドは大寒波に見舞われていた。そんな時代のお話。

コンプラチコスは、幼い子供たちを売り買いしている組織だ。しかも、金持ちの道楽のために、子供を傷つけ改造して売りつけている、極悪非道な組織である。グウィンプレンは、そんな組織に赤ん坊の頃に売られ、口の両脇を切られ、いつも笑っているかのような顔にされていた。

そのコンプラチコスは、取り締まりから逃れようとして、荒れた海に船で逃げる。しかし、グウィンプレンは置いていかれてしまう。その船は難破してしまうが、乗っていた者たちは、これで最後と、グウィンプレンに関する真実を書いた布に血判をし(神様の元に行くときに地獄に落とされないように?)、瓶に詰めて、海に投げる。

グウィンプレンは、一人真冬の森の中を彷徨うが、その途中、赤ん坊を抱いたまま亡くなった母親を見つける。見ると、赤ん坊はまだ生きている。その赤ん坊と共にさらに彷徨っていたグウィンプレンは、とある家にたどり着き、助けを求める。そこに住んでいたのは、後に育ての親となるウルススだった。

ウルススは、大変に貧しい生活をしていたが、幼い子供たちを放っておけなかった。グウィンプレンの顔を見て、コンプラチコスの仕業であると怒りに震える。さらに赤ん坊の方は、目が見えないことが分かる。この女の子はデアと名付けられた。

大人になったグウィンプレンとデアは、お互いを大切に思いながら、育ての父ウルススが率いる旅芸人の一座で芝居をして日銭を稼いでいた。この一座には、行き場がなく一癖も二癖もある仲間たちが集っていたが、皆大切な仲間だった。

一方、アン女王以下大貴族らが権勢を振るうイングランド宮廷では、貴族の大富豪らが、毎日饗宴を繰り広げていた。アン女王の妹ジョシアナ公爵も、何一つ不自由のない生活を送っていたが、クランチャーリー家の跡取り(実は非嫡出子)デイヴィッドと政略結婚させられる事になっていた。拒んではみたものの、姉のアン女王の命令によって婚約を余儀なくさせられる。そんなジョシアナは、満たされた毎日ではあるものの、いつも何かが足りない気がしていて、自分の本当に欲しいものを密かに渇望する毎日だった。そんなジョシアナを誘って、本当に面白いものを見に行こうと誘う婚約者のデイヴィッド。半信半疑ながらも、馬車で出かけていく事にした。

ジョシアナ公爵に仕えるのがペドロだ。彼は富と権力への欲望に塗れた人間だが、それをあえて主人に隠さず、金とそれなりの役職が有れば忠誠を誓うところを見せていく。そして、新たに創作した役職につけてもらう事に成功する。それは、海から流れ着くものを監視する役職。

ジョシアナとデイヴィッドが観にきたものは、ウルスス一座の芝居だった。「高貴なお方」が「わざわざ」自分たちを観に来て、高みの見物をしていると知ったグウィンプレンは、ジョシアナに向かって皮肉を交えて語りかけ始め、仕舞いには現状の不満をぶちまける。芝居の後、ウルススと激しい喧嘩になるグウィンプレン。自分にも、幸せを夢見る権利はあると主張するグウィンプレン。そんな彼をひたすら心配して慕うデア。

その晩、ジョシアナは邸にグウィンプレンを招待する。一座を呼んでくれるものと勘違いしたグウィンプレンは喜ぶが、ジョシアナの目的が自分だけだと知り、困惑してその場を後にする。一方、グウィンプレンを誘ったジョシアナに不満を持ったデイヴィッドは、グウィンプレンが不在の間にデアを襲う。

帰宅したグウィンプレンは事態を把握し、これからはずっとデアのそばにいると誓う。しかしその直後、グウィンプレンは、捕まったら最後、生きて戻ってこられないという恐ろしい秘密警察に連れて行かれる。デアには絶対に秘密にするように皆に言い含めて、秘密警察と共にその場を去ることになったグウィンプレン。

秘密警察には、コンプラチコスの一味が捕まって、拷問を受けていた。同じ目に遭うのではないかと思ったグウィンプレンだったが、コンプラチコスの悪業を証明するために連れてこられたのだった。そして、そこで初めて、グウィンプレンはクランチャーリー家の正当な継承者であり、幼い頃に売りに出されたという真実を知る。ペドロはグウィンプレンに、クランチャーリー家に戻るように説得する。

富と権力を夢見ていたグウィンプレンは、それを承諾するが、代わりに、グウィンプレン自体は死んだことにしなくてはならなかった。

何もかもが豪華な屋敷で生活を始めたグウィンプレン。本当の両親の肖像画を見て、思いを馳せる。ペドロは、自分がグウィンプレンをお世話して、ゆくゆくは思い通りに操り、自分が富と権力を手にしようと画策していた。

クランチャーリー家の正統な跡取りが帰ってきたことにより、居場所を失ったデイヴィッド。ジョシアナは、グウィンプレンが会いにきてくれたものと勘違いしたが、アン女王に、グウィンプレンこそ新しい正統な婚約者だと告げられ、驚愕する。そして、全てを持っていて、手に入れるのに苦労しない相手となったグウィンプレンへの興味を失う。

一方、グウィンプレンが死んだと思わされたウルスス一座。デアには必死にそれを隠していたが、グウィンプレン本人がいないことに、いつまでも気づかないわけはなく、デアは、グウィンプレンが死んだことを知ってしまう。元々心臓の弱いデアは、それにショックを受け、どんどん弱ってしまう。

その頃、居場所を失ったデイヴィッドは、グウィンプレンを売ったのは自分だと独白しながら、真夜中に不満をぶちまけていた。ジョシアナは、たまたまそれを見てしまうが、そっとその場を立ち去る。そんなデイヴィッドとグウィンプレンが同じ屋敷内で出会う。デイヴィッドがデアを襲った張本人であることを知り、二人は決闘になる(フェンシング)が、勝負がつくところまではいかず。

グウィンプレンは、クランチャーリー家代表として、宮廷での会議に出席する。そこで見たものは、傲慢で醜い私利私欲に塗れた大富豪の貴族たちが、数々の法律を自分たちの利益だけを考えて決めていくさま。そんな彼らを諭すように、庶民の苦しみを訴えるも、女王を始め貴族たちには一笑に付されてしまう。そこで、ようやく目が覚めたグウィンプレンは、ここは自分の居場所ではないと、デアの元に帰る決心をする。

誰一人グウィンプレンの言葉に耳を貸さなかった宮廷で、ただ一人、ジョシアナだけは心を動かされ、自分の無知を恥だと気づき始めていた。そして、デイヴィッドを追放し、密かに策略を巡らせていたペドロも追い出す。

ウルススとデアの元に戻ったグウィンプレンだが、時すでに遅し。デアは今にも死にそうなほど弱り切っていた。死んだと思っていたグウィンプレンに再会できて、一瞬気力を取り戻すデア。最期の瞬間、視界が開け、生まれて初めて見たものは、愛するグウィンプレンの顔。愛する人の顔を見られ、その人の腕の中で喜びに包まれながら息を引き取るデア。ようやく自分の愚かさに気づいて戻ってきた途端、最愛の人を失ったグウィンプレン。

絶望に次ぐ絶望。

デアを抱きかかえたまま立ち上がったグウィンプレンは、ウルススと視線を交わしたあと、デアと共にその場を去る。後に残されたウルススは、ここまで育ててきた子供たちを一度に失い、大きな悲しみに襲われるが、「泣かない」。それが自分のはずだから。そうやって子供たちに言ってきたから。遠くに見えるのは、デアを抱いたグウィンプレンが、荒れた海の波間に消えていく姿だった。

感想

オープニングを始め、大切な場面では、舞台に溶け込むようにバイオリニストが演奏する演出が印象的でした。

パク・ガンヒョンさんのグウィンプレンを見て、初めて「カッコいい!」と思いました。ルキーニはカッコいいというのとはちょっと違いますし、フェルセンは、前にも書きましたがちょっとイメージが違ったので。特に、一座でのお芝居の後、ジョシアナに突っかかるところ、フェンシングで決闘するところ、宮廷で歌い上げるところが、本当に素敵でした。

フェンシングのところは、二人が闘い始めた瞬間、「うお?!」となったのですが、後のトークで、このシーンのために、フェンシングのシーンがある役者は、毎日稽古前にアクションスクールで2時間練習していたと言っていたのを聞いて、納得しました。振り付けとしてのフェンシングではなく、しっかり基礎からやった感が溢れていて、構えが物凄くカッコ良かったからです。そして、剣が速い!あの速さでお互い戦うには、よほどきちんと練習していないと怪我しますから。ぶっちゃけ、殺陣がカッコいい人にすぐ惚れます。子供の時から。パク・ガンヒョンが、グウィンプレンで人気が出たのもうなずけます。

デアのミン・ギョンアさん。もう、本当に可愛い!素敵すぎます。守ってあげたい。目の見えない演技が凄すぎて、本当に目の見えない人のようでした。ただただグウィンプレンを信じて愛しているその様子に、途中でいなくなるグウィンプレンを憎しと思ってしまうほど。

パク・ガンヒョンさんとミン・ギョンアさんによるMVあります。

[뮤지컬 웃는 남자] 박강현, 민경아 ‘나무 위에 천사’ MV

シン・ヨンスクさんのジョシアナは、パワー溢れる威厳の人。この舞台の中で、実は唯一の救い。希望。途中のエロティックさも、最高です。後のトークで話していましたが、本番の時に、グウィンプレンの服を脱がしすぎて「しまった」と思ったものの、客席からは喜ばれたそうで(爆)

ヤン・ジュンモさんのウルススは、いろいろなことを達観している、人生の先輩という感じ。最後まで泣かないのが辛かったそうです。あれを泣かないのは難しすぎます。

とにかく、4K映像が素晴らしく、是非とももっと長期間上映して欲しいし売って欲しい(泣)それでも、本来なら観られないと思っていた舞台を、日本で観られるなんて、幸せこの上ないです。1月からの再演は絶対に生で観に行きたい。

コンサート

さて、コンサートの部です。席が近すぎてドキドキでした。

『笑う男』の中のナンバーの他、シン・ヨンスクさんは「エリザベート」の『私だけに』、ヤン・ジュンモさんは『千の風になって』を歌ってくれました。また、パク・ガンヒョンさんが、次の曲は「뮤지컬 더 라스트 키스 “날 시험할 순간”」と言った瞬間、好きな曲だから思わずワァ!と手で口押さえて感動してしまいました。パク・ガンヒョンさんは、最後の挨拶で、日本のお客さんの拍手や歓声に感動してくださったのか、少し目が潤んで赤くなってたのが可愛かったです。ヤン・ジュンモさんは、時間の制限がなければずっと話しててくれそうなほどたくさんお話ししてくれました。ウルススの思いや、皆の様子など、司会の人がいらなかったんじゃないかと思われるほど。

上映会からのコンサートで、とても長丁場でしたが、終わってみればあっという間でした。今年、エリザベートを観に行っていなければ、この上映会やコンサートに行くこともおそらくなかったわけで、人生何が起こるか本当に分からないなと実感しました。

ABOUT ME
Kumi
テクニカルライター/技術翻訳者 主に、iPhone、iPad、Mac関連の記事を各種Webメディアで執筆。またCNET Japanでは10年以上ブックレビューを連載中。「シゴタノ!」では、ガジェットのほか文房具に関する記事も多数執筆。 韓国ミュージカルにハマると同時にブログも再開。 ハムスターと猫を愛するフィーリング重視のライターです。